先生がいてくれるなら①【完】


「この人、リョウさんの奥さんで、有紀さん」

「はじめまして、よろしくねー」

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」

「いいね~、女子高校生だぁ、可愛いね~」


ユキさんはとても嬉しそうに笑って私の頭をフワフワと撫でる。


「孝哉が女の子連れてくるなんて、天変地異の前触れだね~」


リョウさんも同じ事を言ってた気がする……仲の良い夫婦なんだなぁ、羨ましい。


「明莉ちゃん、こいつに騙されちゃったんだねー、可哀想に。よし、私が助けてあげるよ!」


ユキさんはそう言って、私をぎゅっと抱きしめた。


「え、えっと……」


私はユキさんに抱きしめられながら、あわあわとユキさんと先生の顔を交互に見る。