「誰が性格悪いって、リョウさん?」
先生が、リョウさんと言う人をジロリと睨んだ。
しかしリョウさんと呼ばれた人は、どこ吹く風と言った表情で先生と私を交互に見る。
「久しぶりに顔出したと思ったら珍しく女の子連れてるなんて、天変地異の前触れか?」
「リョウさん、それは俺に喧嘩売ってるんですか?」
「お前に喧嘩売ったら命が無くなるからなぁ。ま、いいから紹介しろよ」
先生は小さなため息の後に私の事を「俺の教え子」と簡潔すぎる紹介をした。
ちょっと待って下さい先生、その紹介の仕方は誤解しか生みません!
そうツッコミたかったけど、とりあえず私の自己紹介が先だ。
「あの、立花明莉と言います」
私が会釈をすると、リョウさんは案の定、“先生の教え子” と言う肩書きに固まってしまったようだった。



