先生がいてくれるなら①【完】


「……はぁ!?」

「だってお前の、その顔……!」


いやいやいや、先生、なんでここで爆笑出来るんですか!?


「──こら、孝哉。いじめすぎ」


私が呆気にとられ、先生が大爆笑していると、一人の男性が近づいてきて先生の肩に手をポンと置いてそう呟いた。



どうやら近づいてきた男性は先生の知り合いの人のようだった。


先生よりも年上で、見たところ30代半ばと言ったところだろうか。


日に焼けた爽やかな海の男、って感じの人。


「ごめんねー、コイツ性格悪くて」

「あ、いえ、……」


慣れてます、と言いかけて、慌てて口をつぐむ。



先生の性格が悪いだなんて、これっぽっちも! 思ってませんから! これっぽっちも!!