海沿いの道をしばらく走ると、先生は道をついと逸れて何かのお店の駐車場へと車を停める。
「お茶でもしようか」
1階が雑貨屋、2階がカフェになっているお店。
カフェの窓際からは海が遠くまでよく見える。
私たちは、海が見える窓に向かって座る席に、隣同士に座っていた。
車の運転席と助手席より距離がずっと近くて、それだけでドキドキしてしまう。
「素敵なカフェですね」
「気に入った?」
「はい! 海がよく見えるし、おしゃれだし、コーヒーもケーキも美味しいです」
私がそう言うと先生は頬杖をついて「ふーん」と意味深に笑った。
「俺が淹れるコーヒーとどっちが美味しい?」
先生はその綺麗すぎる顔に、わざとらしい満面の笑みを浮かべてニコニコしている。



