「今日は何時まで大丈夫?」
私が車に乗り込むなり、先生はそう質問した。
「今日はお母さんが夜勤なので、ちょっと遅くても大丈夫です。出かける事はちゃんと言って来ました」
「そう。じゃあちょっと遠出しよっか」
夏の熱い日差しの中、車が走り出す。
車の中で私たちは、車窓から見える風景や前を走る車に貼られた変なステッカーの話、今日の最高気温の話とか……どうでもいい話を延々と途切れる事無く話していた。
先生と話すと、どんな小さくて些細な話もなぜかとても楽しい。
それは先生の話が上手だからか、それとも私が先生を好きだからか──。



