「うー、先生ー、化学がぁ、数学がぁ~」

「そうだなぁ、立花のクラスは文系だもんなぁ」

「そうですよぅ。もう泣いちゃいますからね~、しくしく」

「はいはい、泣かない、泣かない」


言葉は優しいのに、心なしか頭に置かれている手が私の頭をベシベシ叩いてる気がするんですけど!?


「って言うかさぁ、暑いなら冷房つければ?」

「いやです、私、冷房苦手だし。一人で冷房使うのも罪悪感あって嫌だし」

「……じゃ、準備室来る?」


あー、それ、いちばんダメなやつ……。


「……行きません」

「ね、今の “間”、なに??」

「えー、知りませんー」


だって……


先生と密室で二人っきりとか、色んな意味で無理だから。


そんなの絶対、気絶する──。