最初はただ気になる、気になるけど気に入らない、それだけだったのに。
いつの間に、こんなに嫉妬するほど好きになった?
自分を見失うほど好きになっている自分に、正直驚いている。
倉林との関係を問いたださずにはいられない。
みっともない、嫉妬。
生徒相手に大人げなく本気になって……。
仮にも俺は教師という立場なのに、走り出してしまった想いは、もう止める事が出来そうに無い。
立花の右手を掴んで顔を覗き込んだが、反対の手で必死に隠して顔を逸らせてしまい、表情が見えない。
どんな表情で、いま何を思ってる?
続く沈黙。
少し震える、立花の手。
「──先生、お願い、離して下さい……」
震えて掠れる声で言われ、俺はハッと我に返った。



