「えっと、何か変な味でも……」


「……おっ」

「お、???」

「美味しすぎるっっっ!!!」


「──はぁっ!?」


「先生、このアイスコーヒー、美味しすぎるんですけどっ!?」


私がコーヒーに感動して叫ぶと、先生はなぜか私の隣で脱力していた。


「お、お前なぁ……。なんか変な味でもするのかと思って、焦っただろ。ばか!」


先生はポカリと私の頭を優しく叩いた。


「す、すみません、だって、今まで飲んだことの無い美味しさだったもので、つい……」

「美味しかったのなら良かった」


先生は満足そうにそう言って、今日買った電子レンジの箱を開け始めた。


「ねぇねぇ、先生、このアイスコーヒーも先生が作ったんですか?」

「あー、それな、氷出しコーヒー。うまいだろ」

「こおり???」

「お湯じゃなくて、氷でゆっくり抽出するやり方」

「ふうん。そんなやり方があるんですね、知らなかったです」