──そして私はなぜか今、先生の住むマンションに来ている。


駐車場に車を停め、台車に電子レンジを載せ、今まさにエレベーターに乗らんとしている所だ。


「えっと、どうして私はここに連れてこられたのでしょうか……?」

「お前に電子レンジの使い方を教える仕事を与えてやろうと思って」


先生はそう言って、ハッハッハ! とわざとらしく笑う。


「な、なるほど、私はそのために今日買い物に呼ばれたわけですね?」

「まあそう言うこと」


「って言うか、思い出しました! 私、今日の買い物やら食事の代金、払ってません! 精算させて下さい!」

「あぁ、そんなの要らないから」


先生はそっけ無く言い放つ。


「でもでも、洋服だけでも結構な金額だったんじゃないですか? そんなのダメです! 払っていただく理由がありません!」


そこまで言った時、エレベーターの扉が開いた。


「はいはい、降りて」


うぬ~。

タイミングの悪いエレベーターめ~。


「先生ってば!」

「供用廊下では静かに」

「うぬぬ…」