先生がいてくれるなら①【完】


先生のさっきの顔……思いっきり無表情だったよ……。


でも、似合うって、言った、よ、ね???



混乱しながら着替え、しぶしぶカーテンを開ける。


「あ~、これも可愛いですね~、似合ってますよ! 彼女さん、可愛いから何着てもよく似合いますね~」


二度目の『彼女さん』発言に、私はひとり「いやいや違います、私はこの方の “下僕” ですから!」と心の中で盛大なツッコミをする。


て言うか、先生もちゃんと訂正しようよ、「彼女じゃなくて下僕です」って。


下僕(私)は、暴君(先生)の反応を恐る恐る伺う──。



「ん。これも良いね。貰います」

「ありがとうございます~」



私はまた試着室に押し込められた。


──と言うやり取りを更に何度か繰り返し……。