「先生、今度コーヒーの淹れ方を教えて下さい」 「……嫌」 「えっ、何でですか!?」 「企業秘密だから」 「先生のケチ!」 「ダメなものはダメ」 ムッとして私が押し黙ると、先生は自分の机で仕事を始めてしまった。 うーん、美味しい。 先生の淹れるコーヒーは、たとえ冷めてもすごく美味しい。 先生は魔法使いなのかな。 ──はぁ。 脳内でため息をついて、コーヒーを口に含んだ。