「いってきます 」


笑顔で見送ってくれる蓮に手を振ってから、ドアを開けて家を出た。


それにしても暑い…

マンションのエントランスから出ると、暑い空気に全身が包まれる。

まだ、午前中だというのに、夏の日差しまでジリジリ照りつけてきて、肌が焼けそうに熱い


汗をハンカチで拭きながら、美月の家までの道を歩く。



こんなに暑いのになんで蝉はあんなに元気に鳴けるんだろうって思いながら、


重たくなった足を動かしていると
ポンと背中をたたかれた。


「結愛 !」


名前を呼ばれたからふりかえって
みると笑顔の香帆がいた。


「香帆、おはよう 」


「おはよう 体調大丈夫?」



体調は崩してないはずだけど、体力の消耗が激しくて、肩で息をしていたのを気づかれてしまった。