診察室のベッドに寝かされると、

髪の毛にポンと手いてくれた。


「全く…こんなになるまで無理して、
今度は絶対逃げたりしないで」


「…うん ごめんなさい」


蓮は怒っている口調だったけど、

もう一度謝ると優しい顔に戻って笑いかけてくれた


「聴診するね 」



聴診器を耳にかけ、手で温めてから

服の中に滑りこませる。


「ゆっくり、深呼吸して 」


視線を合して、ニッコリ微笑んでくれた。


診察のときはいつでも安心させるように、

気遣ってくれるから、恐怖を感じない。



「はい、良いよ。
じゃあ、熱測ろうか 」


「……………」


体温計が目の前に差し出される。

熱があることはわかるし

測らないといけないのはわかるけど、怖くて受け取れない。



だって、熱あったら、絶対に点滴されて

もしかしたら、入院になってしまうかもしれない。