「結愛、辛そうだな。
抱っこするから、力が抜いて 」
プレゼンテーションの邪魔にならないように、
耳もとでそっとささやいた蓮
ゆっくりとうなずくと、体が宙に浮き
お姫様抱っこされた。
みんな集中しているから、
誰もこっち見てないけど恥ずかしい…
でも、気分が悪すぎたから、
抵抗もできなくてそのまま蓮の車に連れて行かれた。
車に乗ると、無言のまま運転する蓮。
完全に自分が悪いんだけど…怒っているよ…
それなのに、赤信号で止まると、
ペットボトルのフタを開けてから、私の口に持ってきて水を飲ませてくれて
きれいなハンカチで私の汗も拭いてくれる。
蓮の優しさに、涙がポロリと溢れ出してきて、
止めようと思っても、止まらない。


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