「何か欲しい物があるのかい?」 男の子は答えます。 「ぼくは何もいらないよ…ママに素敵なプレゼントをして欲しいの」 「何故だい?」 男の子はおじいさんから目線を外して 彩り鮮やかな楓の木々に瞳を預けました。 「ママはね、ぼくを助けるために夜遅くまで働いてくれてるんだよ」 「助けるって…どういうことだい?」 男の子はさっきよりも淋しい顔をしました。