「そろそろだよ」

「それじゃぁ、私たちも退散しますか」

紳士はおじいさんに目で合図を送ります。

「そうだな…」

「エエ~…もう帰っちゃうの」

男の子はつまらなそうな顔をしました。

「ママには私たちの姿は見えないからね」

そう言うとおじいさんは

何も無い手のひらを男の子に一度見せてから

手を一回転させて開きました。