家庭教師として初めてのお仕事。
上手く教えられるかな?
そんな不安と、
上手く教えられたら嬉しいな!楽しみ!
そんな高揚感が同時に起こっている。
小田島さんの家に着き、チャイムを鳴らす。
開いたドアから、生徒さんのお母さんが現れる。
「あっ、こんにちは!本日からお世話になります、御園三百です」
「こんにちはー、小田島です。
どうぞ、上がって!」
「はい、お邪魔します…」
家に上がるけど、生徒さんの姿はない。
「あの…」
「ああ、息子よねー。ごめんなさいね、うちの子だいぶマイペースなのよ。まだ帰ってきてなくて」
私の考えを読んだかのようにそう答えた。
「いえいえ!私も早めに来てしまったので」
「帰ってくるまで、ゆっくりしててくださいね」
「あはは…お言葉に甘えて」
怖いタイプの女性じゃなくて良かったなー。
帰ってくるまで、リビングの椅子に座らせてもらい、プリントを確認していた。
生徒さんの名前は、紘くんって言ったかな。
面談の時も、息子が帰ってきてないのよーって、紘くん本人にはまだ会っていない。
高校2年生で、受験はもう少し先だけど、学力的に心配だからってことで依頼されたんだった。
英語と数学を重点的に見てほしいって言ってたかな。英語は文系、数学は理系。なかなか両方見てくれる人が見つからなかったらしい。
一応私は文系で英語は勿論できるけど、高校時代は数学が1番好きだったから、見れます!って豪語したからには頑張らなきゃな。



