キミの視線をひとりじめ。




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「そろそろ、帰ろっか」


「うん……」



元々は一緒に帰ろうと約束をして教室で待っていたことを思い出した。



まさかこんなことになるとは。
でも、それ以上に嬉しさがこみ上げる。



「ね、こっち向いて」


「ん?なに……」



ちゅっ、と彼が軽くキスをした。



もう終わりって言って終わったのに…!



完全に不意打ちだったことに少しだけ悔しくなって、彼を睨みつけると楽しげに笑った。



絶対に楽しんでやっている彼に、何かを言う気力もなくなる。


そして彼は私の手を握って口を開いた。




「言い忘れてたけど、他の男なんて見ないでよ。こっちだけ見てて」



真剣な眼差しから、目が離せない。



「かわいい顔も俺のだし、俺のことだけ見てたらそれでいいから。分かった?」



そんな彼の言葉に、私はへへ、と笑いながら「うん」と頷き、彼の手をぎゅっと握った。







キミの視線すらひとりじめしたい男子の話。







終わり