それは、一瞬のことだった。 それでもわたしには何秒も何十秒も長く感じて。 じわじわと、身体の奥から全身がボボッと熱くなっていくのを感じた。 心臓も、ドクドク…っとあからさまに速くなっていって少しだけ苦しくも感じる。 見てはいけないと思っていても目を逸らせない。 ずっと、聴こえてきていた蝉の鳴き声も、部活動をしている人たちの掛け声も。 廊下を歩く人の足音だって、なにも入ってこなかった。 「こーら、どこ見てんの」