「飲みすぎたの?」
「んー…そうかも」
いつもよりも多くアルコールを摂取したなという自覚はある。頬は火照ったままだし、こうして目を閉じていると頭がぐわんぐわんと揺れているようだった。
「水持ってこようか?」と身体を起こそうとしたみぃを「大丈夫だから」と咄嗟に止めた。
いつもなら素直に甘えていただろうけど、なんだかいろんな情報を頭に入れたせいで嫌な方向にばかり思考が向いてしまう。
例えば、今のこの状況とか。
こんな風に、酔っ払いに睡眠を妨害されるところを想像してみた。
普通にウザい。俺ならキレるかもしれない。酒くせーんだよって、きっとうんざりする。
なのに俺ときたら…
この前の友達との飲みの後にもこうやってみぃの家まで押しかけて、寝ているところを起こして、更には“そういう行為”にまで及んだ…気が…する。
マジ最悪じゃん、俺。
「空大?」
クイ、と服の袖を引っ張られた。腕の間から目だけをチラリと覗かせると、心配そうな面持ちのみぃと視線が絡まる。


