「無言は肯定と受け取りますよぉ~?」
「…いいですよ」
私よりも洞察力に長《た》けているメグには敵わない。
見た目こそおちゃらけているように見えるものの、成績は常に私より上だし、メグからすれば私の行動の意図なんてすぐに読み取れてしまうんだろう。
「メグの推理的に、もう三日は会ってないのかなぁって思うんだけど」
「…おっしゃる通りです」
「やっぱり~?でもなんで?未唯奈たち、キモいくらい会ってたじゃん」
「っき…」
何がなんでもキモいは言いすぎだと思う。
…それに。
“なんで?”なんて、私が聞きたい。
「分かんないけど…多分、バイト忙しいんだと思う」
「えー?でもいつもバイト終わりも家に来てたんでしょ?それすらない感じ?」
「…うん」
ああ。お箸が重たくなってきた。
おかしいな。こんなの重いはずないのに。
「んー怪しいね」
「怪しい…?」
顎に手を当て、神妙な面持ちを浮かべるメグ。ついつい私も同じように眉を寄せてしまう。
「うん。なんか心当たりないの?いつもとは違うところに行ったとか、行動がちょっと変だったりとか」
「…んー…、特には…」
「ほんと?飲み会とかは?なかった?」
…飲み会…?


