「最近彼氏と会ってないの?」
なんの前触れもなく突然落とされた言葉に「えっ」と、目を見開く。
そんな私の表情が余程可笑しかったのか、向かいに座るメグは「何その顔~」とキャハハと笑っている。
「だって、いきなりだったし…驚いて」
「なんで分かったの?って感じ?」
うん、と素直に頷けばメグはピンク色のネイルが施された指で、机に広げている私のお弁当を指《さ》した。
「そんなの、未唯奈のお弁当見てたら分かっちゃうもんね~」
「お弁当…?」
頭の中はますますクエスチョンマークで埋め尽くされていく。
「だってホラ、今日のお弁当とかチョー手抜きじゃん」
「……」
「ちなみに昨日もかなり質素?てか地味?だったし~」
「……」
「彼氏のお弁当も一緒に作ってる時はもっと凝ってるもんね」
…なるほど。
メグの推理は見事に当たっている。
空大が泊まる時、必ず空大の分のお弁当も作る。“自分の分のついでだから”とかなんとか言っておきながら、普段より二時間も早く起きて、手の凝ったおかずを用意している。
だって、今日や昨日みたいな質素で地味でチョー手抜きなお弁当なんて持たせられないもん。


