ミスアンダスタンディング







「まあその意見も一理はあるんじゃね?」


向かいに座る陽平《ようへい》はカツ丼を頬張りながらあっさりとそう放つ。

昨日の飲み会から一夜明けて、萩野ちゃんや朋美さんの意見だけを鵜呑みにするのはよくないんじゃないかという結論に至った俺はさっそく陽平に昨日の出来事を大まかに話した。

そして返ってきた第一声が、これだ。



「え、マジ?やっぱそういうもん?」

「だって女の子って基本的に性欲弱いじゃん。少なくとも男よりかは」

「…まぁ、だよな」

「あー、そういや俺のツレに居たわ。ヤリすぎでフラれた奴」

「…マジかよ…」



いよいよ本当に頭を抱える。

やっぱそうか。そういうもんなのか。



「なに。空大ってそんな性欲つえーの?」

「…知らねーよ」


今まで自分は普通だと思っていたから、これが強いのか弱いのかなんて分からない。けど、昨日から集めた情報を分析する限り、きっと強い方に当て嵌まるんだろう。



「ちょっとくらい我慢すりゃいーじゃん」

「分かってるっつの」



性欲を満たす為に付き合っているわけじゃないし、我慢するのが嫌だとかそういうわけじゃない。

ただ、今までみぃに無理させていたのかと思うと居た堪れないだけだ。