急いで荷物を旅行用バッグに詰め込んで、玄関を出た。 「じゃあ、行こう。」 彼はそう行って私の手をひく。 当たり前につながれた手に、寒さに赤くなった鼻に、少し掠れた声に、酔ってしまいそうだった。 私の歩幅に合わせて、今にも落ちてきそうな星空の下、また2人で歩き始めた。