「翔(しょう)ちゃん……。ごめんね、こんな田舎嫌でしょう??」

「ばあちゃん! 全然気にしてないよ!いいとこじゃん!海も綺麗だし、野菜も美味いし!」


ばあちゃんはかなり僕達家族が一緒に住むと言った事を喜んでくれたが、来たら来たで申し訳なさが勝っていたようだった。


父はこっちで仕事を見つけ、母はばあちゃんと一緒に畑をやっている。

妹の紗夜(さよ)は、夏休み明けからこっちの中学校に通うことになっている。
中2から編入って溶け込めるんだろうか?という兄としての心配もあるが、僕とは違い、活発で明るい紗夜は大丈夫だろう。



に、しても。暇だ。

することがない。


「翔!暇してるなら畑手伝ってよ!」

母の声がする。さて、どう逃げるかな。っと。


「ちょっと散歩してくるー」

そう言って、家を出て、母からの逃亡成功。


とりあえず、海でも見て、涼もうかな〜。


足は自然と海への道を行く。