(女性25才、会社員)

最初就職したのはパワハラが当たり前の会社でした。

毎日始発で行き、終電で帰るような生活が続きました。

ブラック企業というのは恐ろしい所で、人に思考させるのやめさせ壊れるまで使います。

今考えられるとおかしいことでも、当時はそれが普通になっていました。

あの日も23時まで残って作業をしていました。
集中力もかけ、少しうとうとしていました。
もう無理だ。でも、終わらせないとまた見せしめにされる。

そんな時、背後でゴトッと音がしました。

私は驚いて振り向こうとするも体が動きません。金縛りでした。

ズルッ…ズルッ…と何かを引きずりながらこちらに近づいてきます。

なんで私がこんな目に。もう嫌だっ!嫌だっ!イヤイヤイヤ!

パニックなっている私の首筋に吐息がかかりました。

「楽になろうよ」

耳元で女の声が聞こえました。聞いたことがあるような……。

目線が見たくないのに後ろの女の方に向かいました。

そこには顔の左半分が潰れた私がいました。
いえ、顔だけでなく、左半身がぐちゃりと潰れていました。

引きづる音は、彼女(私)が潰れた左足を引きづる音でした。

私はそこで気を失いました。

次の日、私は会社に退職願を提出し、ほとんど逃げ出すように辞めました。

その後、あの会社から自殺者が出て、会社は潰れました。