(女性18才、学生)

これは私が6才の頃の話です。

当時私は黄色い傘がお気に入りでした。

雨の日はもちろん、晴れている日も持っていました。

傘が私を守ってくれる、この傘にはすごい力がこもっている。

私はそう思っていました。プリキュアとかの影響を受けていた気がします。

そんな時、すごい大雨が降った日がありました。

私は学校から帰っていました。もちろん、お気に入りの傘を使っていました。

家まで普通に歩くと子供でも10分程でしたが、その日はすごく長く感じました。

折返しの目安のコンビニが見えてきて、少しホッとした時声をかけられました。

「ねぇ、大丈夫?」

上を見上げると赤いニットセーターを着た女性が立っていました。

髪は長く、口紅も真っ赤で今でも覚えています。表情は思い出せないのですが……。

その女性はまた「大丈夫?」と声かけてきました。

何が大丈夫なのか、全く質問がわからずずっと見上げていると女性は「駄目ね」と言って腕をこちらに伸ばしてきました。

私は恐怖で動けませんでした。

その時、私の持っていた傘が風もないのに女性の方に傾きました。

傘が女性の手に当たったかと思うと女性は「ギャー」と頭が痛くなるような叫び声を上げて走り去っていきました。

傘が私を守ってくれた。

私はそう思ってその傘を大事にしていました。

今、なぜこの話をしたかと言うと今日玄関にその黄色い傘があったんです。

ばきばきに折られた状態で。

私はこれからどうなってしまうのでしょう。