『(お姉さん連れとやっと電話繋がったの?)』


電話の向こう側で男の声が聞こえる。


『(そう、だから散って)』


『(えぇ、お姉さんがいなくなっても気づかないような連れ?そんなやつやめときなって!)』


『(うーん、そうね
一人で帰るわ どの道あなた達は散って)』


『(うわー!ド直球!)』


『(諦めの悪い男は嫌われるわよバイバイ)』


『(それ言われるとなぁ、じゃあ他当たります)』


『(聞き分けいいじゃない)』


『聞いてたでしょ?私は帰る そう伝えて』


「いや、ちょっと待ってよ、今どこにいんの?」


『教えなーい』


「はぁ、」


『彼女でもないんだし私を連れ戻す必要はないでしょ?ため息つかれる筋合いないわ』


「コウ!!」


電話中であるのに躊躇なく声をかけてくる理玖。