なんか、急に足どりが重たくなった。
ごまかすように下を向いた。
水溜まりに反射した自分の表情を見て、やっとわかった。
そっか。寂しいんだ、私。
理解してしまうと、一気に力が抜けるようだった。足にうまく力が入らなくて、近くのベンチまで体を引きずる。
佐紀は帰っちゃったし。
彼は誘ったけどだめだったし。
彼の姿が目に入る。
もちろん、本当に彼がいるわけじゃない。
彼は私と似てる。
写真が嫌いで、お互いにそれを理解してて。
でもやっぱり形のある何かが欲しくて、一回だけ彼をスマホに収めたことがあった。
こっそり待ち受けにしているそれを見て、寂しさが増していく気がした。
もう帰ろ。
考えれば考えるほど、落ち込んじゃうのは分かりきってるんだから。



