都市中心地にある繫華街に真白とセシリーはバスで向かう。

丘の上にバス停はなく、坂を下り、大通りまで歩いて向かわなければならなかった。

大通りに出ると街路樹が見えてくる。

セシリーは街路樹の真ん中に立つと、大きく深呼吸する。

「どうですか?久しぶりの外出は?」

「私を引きこもりのように言わないでください。・・・・・・・でもとても気持ちがいいわ」

セシリーは晴れ晴れとした空を見上げて、

「青色のドレスを着て来るべきでした」

自分の黒いドレス姿を見て、後悔したように残念そうに言った。

真白は青色のドレスを着たセシリーを想像した。

普段から無表情なセシリーが空に向かって微笑みを浮かべている。

「ほんとうに僕もそう思います。セシリーの微笑む姿を垣間見ました」

「そうね・・・・・・・青色のドレスを探してみようかしら?・・・・・・・真白が喜んでくれるのなら」