日が傾きかけた頃やって来たのは町中の少し古びた小さな病院


以前、私が入院していた病院だ


「テツは ここに入院しているの?」


「あぁ」


受け付けを通り過ぎ、病室へと向かう


「怪我、ひどかったんでしょ?大きな病院が良かったんじゃないの?」



「ばぁーか。そんな所に入院させたら色々まずいんだよ。この病院は族の関係者が院長だから都合が良いって事」


陸斗の隣から輝真が説明してくれるけど…


「バカって、余計だよね?」


「ほら、着いたぞ」


ガラっとドアを開けた向こうには全身包帯だらけのテツがベッドに横たわっていた


「テツ!!」


ベッドへ駆け寄った私は、テツの顔を覗き込んだ


目を薄っすら開けたテツは寝てたんだろうか少しボーとしている


「あ…彩夢ちゃん……凛ちゃんから聞いたよ。無事だったか?」



「うん。私は大丈夫。でもッテツが……」



「あぁ…これくらい大丈夫。好きな子が無事なら…」


そう爆弾発言をしたテツ


私の後ろから何故か殺気立った陸斗が怪我人のテツに言い寄る


「テツ…お前、誰が好きなんだ?場合によっちゃあ…分かるよなぁ?」



陸斗から凄まれテツは慌てる



「ま、待て…玖賀、間違いなく勘違いだって……」



「あ?どう言う意味だよ」


このまま放っておくわけにはいかなくて…



「ちょーっと、テツは怪我人だよ?安静にさせとかなきゃ!」



どうにか陸斗を宥めて落ち着かせてると、ガラっとドアが開いた