それと同時に「逃がすな」と叫び声が聞こえ、人を殴る音と一緒に、こちらに向かって来る足音が聞こえる
振り返らず必死に走り、狭い路地を何回か曲がり自販機の後ろに隠れる
「どこ行った?」
「女二人だ、遠くまで逃げきれるはずがねぇ。探すぞ」
……このままだったら二人共捕まる
今のうちに震える手で陸斗にLineで連絡を入れ、GPS機能をOnにした
既読がついたのを確認してポケットに入れる
隣を見るとガタガタ震えながら涙を堪えてる凛
こうしている間も足音が近づいて来る
私は意を決し、深呼吸して凛と向き合う
「凛、今から私の言う事を聞いて。ココに居たら二人共捕まっちゃう…私が囮になるから、その隙に凛は逃げて」
目を見開いた凛はポロポロと泣き出した
「そんな事…出来ないよ。だって、そんな事したら彩夢ちゃんがッ」
「凛、大丈夫。今 陸斗達が来てくれてる。陸斗に会ったら伝えて。携帯のGPSを辿ってって。アイツら…きっと、この前 話してた蛇鬼だと思うの。私が捕まれば場所が分かるでしょ?」
首を横に降って反対する凛を置いて私は立ち上がり力一杯 地面を蹴った



