「じゃぁ、そろそろ送って行くか」


テツは慎二を連れて凛と菜摘を家まで送る事になった


真っ赤な顔をした凛はテツに促され出口へと向かう


その後を追うように立ち上がった慎二は振り返り菜摘を見る



「どうしたの、菜摘ちゃん?君も一緒に帰るんだよ」



「……え?私はまだ居ても大丈夫なんだけど…でも送ってもらうならぁ、陸斗先輩がいいなぁ」


甘えた声を出し陸斗にすり寄って行く


「はぁ……。玖賀はダメだ!俺達と行くぞ」


そう言いながらテツは菜摘の腕を掴んだ


「なら!!彩夢も一緒に帰ろう!」


突然、話しを振られ返事に困る


「彩夢は俺が送るから、二人はテツと慎二に送って貰え」


そう言いきったのは陸斗で…菜摘はムッとした表情になり乱暴にバッグを手にとった


そして私の前を通り過ぎるその時、菜摘と目が合い鋭く睨まれる


「あ〜ぁ、彩夢だけ特別扱いとか羨ましいよねぇ」


そう言い残し、ドアは閉まった


「何だよ、あいつ。感じ悪!」


颯太が菜摘に悪態をつく。
部屋の雰囲気も悪くなってしまった


「ご、ごめんね…。菜摘ってどんな子かあまり分からずに連れて来てしまって……本当にごめんなさい」


頭を下げ皆に謝ると、輝真が私の頭をポンポンと あやすように撫でながら言う


「彩夢が謝る必要ねぇよ。ただ…あの女はここには、もぅ連れて来ない方がいいだろうな」