午前中の授業が終わり、菜摘と凛と一緒に お昼を買いに食堂まで行く


食堂の一角には売店もあり、既に人集りが出来ている


「うわ、沢山いるね。買えるかなぁ…?」


「早くしないと売り切れちゃう!行くよ、彩夢!凛!」


気遅れしている私の腕を掴み グイグイと人集りに突っ込む


菜摘のお陰で何とかサンドウィッチを購入出来た


人の群れから抜け出しパックジュースを買う


「んじゃ、教室戻ろっか」


オレンジジュースとサンドウィッチを手に くるりと向きを変えた時、食堂入口が何やら騒がしい事に気付いた


何事かと思ってると、キャーキャー煩い女子の群れから陸斗と輝真が現れた


見るからに不機嫌


「彩夢ちゃんじゃん、飯今から?」

見てる方向と別の所から声を掛けられ振り向くと腕いっぱいに惣菜パンを持ってるテツがいた


「テツ一人で、そんなに食べるの?」


「んな訳あるか!じゃんけんで負けたんだよ!」


あぁ、なるほど…


一人で納得しているとテツが「一緒に食わね?そっちの可愛い子達も!俺、鬼丸鉄二。ヨロシク」鼻の下伸ばしながら言う


テツの狙いは凛とみた


凛は目をキラキラさせながら「いいんですか!?」と返事している



そこへ不機嫌な2人がやって来た



「クソッ ウザくて しょーがねぇ」


輝真は女子の群れを威嚇するように見ている

隣にいる菜摘は目がハートになっていた


「彩夢もいたのか。お前も来い。行くぞ、テツ」


陸斗は テツの腕いっぱいのパンを半分持つと足早に食堂を去って行く