「結局、昨日は玖賀先輩達の事 話せないままだったから、彩夢に教えたくてウズウズしてたんだぁ!」


っと朝から元気いっぱいの菜摘


昨日、帰り際に見た無表情とは打って変わって眩しいくらいの笑顔だ


「ふふ…菜摘ちゃん、帰る時まで彩夢ちゃんに早く教えたいって言ってたんだよ」


クスクス笑う凛の横で興奮しながら話し始める


「でね!あの人達が何で有名かと言うと、実は暴走族なの!カッコイイよねぇ」


苦笑いしながら「昨日、教えてもらったよ。かなり衝撃的だったけどね」と言う私に…


「暴走族って言えば、だいたい倉庫とかに皆 溜まってるじゃん?でもね、『Dark Ruler』って倉庫がないって噂なんだよね。どこに溜まってるかも誰も知らないから滅多に会えないわけ。だから、ファンの人は桜蘭学園に入学するの!私もその一人なんだぁ」


捲くし立てる様に話す菜摘に、若干引き気味の私


「そーなんだね…知らなかった……ハハハ」


ーーーーってか、倉庫って何?
倉庫……じゃなくてビルだったよねぇ?って事は……アレが溜まり場?


すると凛が可愛い顔をズイッと寄せてくる


「彩夢ちゃんってラッキーなんだよ?」



周りを気にしながら小声で話し始める


「え…何で?」


「基本、玖賀先輩と新條先輩は 女を寄せつけないの。『Dark Ruler』のメンバーも女を受入れないって話し。だから、彩夢ちゃんはファンからしてみれば羨ましい立場にいるんだよ」


「へ、へぇ〜……」


昨日の朝の出来事を思い出す


だからか……きっと目ぇ付けられたよね…あの女の人達に…