……まぁ、平日だし学校だろうから帰ってから連絡入れればいいか



天気が良く、ポカポカと温かい

マンションまで そんな離れてない為、散歩がてら歩いて帰る


春が近いのか道沿い桜の木が蕾をつけている



30分程でマンションに着き、スペアキーで鍵を開ける


真っ先に携帯を充電すると穂乃華とツッチーから着信が入っていた


Lineで『何も言わずに帰るとか酷すぎ』って入ってたから、とりあえず謝って誤魔化した



何がともあれ、あの件は陸斗以外に知られる事はない



夕方、陸斗と輝真が帰って来た


「「ただいま」」


「お帰り〜」


陸斗に尋ねる事があった為、玄関まで出迎える


「よぅ、退院出来たんだな。言ってくれれば迎えに行ったのに……ってか、まだ安静にしとけよ?今日は、俺と陸で飯作るから」



「ありがとう。ねぇ、病院のお金って誰が払ってくれたの?お金、返すよ」


「あぁ…金は気にすんな。それより、お前は ウロウロすんじゃねぇよ。まだ痛むだろ」



「うん…でも痛み止め飲んだから大丈夫」



「帰り…歩いて来たとか言わねぇだろーな?」



ギロリと見られて、背中の汗がタラリ



「ちゃんと、タクシーで帰って来たよ!へへへ…」


きっと引きつっているであろう顔を覗き込まれて声が裏返ってしまった



「はぁ……ったく。無理すんじゃねぇよ」


ポンっと私の頭に手を乗せ ため息を吐く陸斗


ドキンと跳ね上がった心臓を手で抑え、気付かれないよう下を向く



高揚するこの心を誤魔化すように陸斗の背中を追ってリビングへ向かった