「おぅ。遅くなって悪かったな、途中で拾ってきた。名前は、如月彩夢……んで、コイツは新條輝真(シンジョウ テルマ)」


「は、初めまして……如月彩夢です」


「輝、コイツも今日から一緒に住むから」


「は!?聞いてねぇーよ!」


「今、初めて言ったからな」


まるでコントのようなやり取りを黙って聞いていた


「ったく!俺も世話になってる身だから文句は言わねぇけどな、いつも突然すぎんだよ!テメェは!!」


「あぁ、悪かったな。いつも突然で。早く飯食おうぜ、準備出来てんだろ?」


「ッチ!」


舌打ちしてキッチンに向かって行く
その後ろ姿を見て申し訳ない気持ちになった


「何か…私のせいでスミマセン。私、ココに住まわせてもらうつもりありませんから…明日には出て行きます。迷惑かけてゴメンなさい」



頭を下げ、謝る


「お前は、ココに住め。どぅせ行き先も、行く宛もないんだろ?」


「でも…………」


迷惑なんじゃ…そう言おうとしたら ガチャンと料理が乗ったお盆がテーブルに置かれた


「陸が良いっつってんだから、居ればいーんじゃねーの?ほら、箸」


「あ、ありがとう…ございます………玖賀さん…ホントに……良いんですか?」


「あぁ。それと、名前で呼べ。敬語もナシな。一緒に生活するんだろ」


初対面なのに、いきなり名前呼びとかハード過ぎるよ…


「さ、食おうぜ!マジ腹減り過ぎてんだ。彩夢も食え」


「輝の飯、美味いんだぜ」


「……い、頂きます」


これが陸斗と輝真との出会いだった