すると、陸斗がその手を掴み捻りあげる
「うっ」
「汚え手で気安く彩夢に触わんじゃねえ」
捻り上げたまま私から美華さんを引き離すと、勢いをつけて田辺さんの方に押しやった
よろけた美華さんの体を支えた田辺さんはギロリと陸斗を睨みつけた
「玖賀の次男坊。一体どういうつもりだ?こんな仕打ちをして、どうなるか分かってるんだろうな!?」
一般人だったら震え上がるような圧でも陸斗は、表情を変える事はなくむしろ、その表情は更に冷たいものになっていく
「てめぇこそ、どういうつもりだ?許可無しに家に入った挙句、てめぇの娘と結婚だと?ふざけんじゃねぇぞ!!」
今まで聞いたこと無いような低く唸るような声で怒鳴った陸斗は、まるで別人に見えた



