そんな私の気持ちを読み取ったのか輝真がカウンター越しにビールを飲みながら教えてくれた
「陸が捕まるわきゃねぇだろ。警察と取引してんだよ。裏社会は法で裁けねぇ事や現行犯じゃなきゃ捕まえられねぇ事だってある。規則で縛られて動けねぇ警察が陸の親父さんに頼んでるって事。言わば公認ってヤツ。今回も例外じゃない」
「え?そーなの?捕まったりしないの?」
そんな裏事情があるなんて知らなかった
「ククッそういう事」
肩肘をつき頬杖をしたまま不敵に笑う陸斗
ヤクザの世界は知らない事だらけだ
「しっかし、まぁ。何の後ろ盾がない族が生き残るのがやっとの世界で、『蜘蛛』の奴らは よく頑張ってたよな」
「あぁ…そうだな」
二人の会話を横にジュースを喉に流し込んだ



