「では、傷口に塗る軟膏と痛み止めを出しておきます。替えの包帯とガーゼをいくつか出しますので、小間目に替えるようにして下さい。経過を見るために一週間後に診察しに来て下さいね」



「ありがとうございます。お世話になりました」



一週間程で退院になった



てっきりバイクで帰るものだとばかり思ってたら、いつかの高級車が駐車場に停まっていた


運転席にいる厳つい人は、確か『銀さん』


「退院おめでとうございます」


車に乗るなり話しかけられて、ちょっとビックリしてしまう



「あ、ありがとうございます…」


銀さんはバックミラー越しに陸斗へと視線を移した


「坊、親父さんが今度 顔出すようにと」


「チッ……わかった」


親父さん…陸斗のお父さんの事よね


そう言えば、この前…ヤクザとか何とか言ってたような……


あんまり家族の事、話さないし…詳しく聞かない方がいいのかな


隣に座っている陸斗を盗み見してるうちに、マンションに着いた