ゲラゲラと下品に笑う男達の間を割って聞こえてきた足音


「何やってんだよ、菜摘。せっかくの人質に」


グイっと乱暴に椅子ごと起こされ男は私の前に腰を落とした



「そうよ。やっと会えたんだから、お楽しみは最後までとっておかないと」



するりと男の肩に伸びてくる手を辿っていくと、当時より少し大人びた義姉がいた


「何…で、お姉ちゃんが……?」


疑問を投げかけると同時にパンッと乾いた音がした


ジンジンと左頬が痛む


「あんたなんかに『お姉ちゃん』なんて呼ばれる筋合いはないわ!あんたのせいで私がどんな目に合ったか分からないでしょ!?」


何で、菜摘と義姉が一緒にいるの?


そう思ったけど、考えはすぐに消えた


あぁ……そっか、菜摘が私の過去を知ったのは…


利害一致と言う訳か…
どこで知り合ったのかは分からないけれど


多分、この目の前の男を通して仲良くなったんだろう


まぁ、目の前の男は私を『人質』と言ったから間違いなく『支配者』に対してなんだろうな