繁華街は夜中だと言うのに眠る事を知らず沢山のネオンで昼間の様に明るかった


客引きをするホストやキャバ嬢

千鳥足で歩くおじさん達

ギャーギャー騒ぐ若者集団


私だけがその世界に馴染めず浮いている
立ち尽くしたままキョロキョロしていると、若者集団の先に警官が見えた



「補導」と言う文字が頭に浮かんだ私は、逃げる様にその場を去った


繁華街の端にある公園に辿り着いて、石で作られたベンチに座る


「冷たッ」

身を縮める様に座って空を仰ぐと、雲と雲の間から星がキラキラ光ってるのが見えた

冬の空は空気が澄んでいて、より一層 星が綺麗に見える


ーーーーキレイ…それに引換え、私はどうだろう…


穂乃華や学校の人達が知ったら どう思うだろう… 知られたら、きっと軽蔑される


誰にも助けを求められない…
自分で どうにかしないとダメなんだ…


何で……お母さんは私だけ残して逝ったの…


「……お母さん…」


そっと呟いたその言葉は、白い息と共に空へと消えていった