何事かと思って振り返ると、不機嫌丸出しの陸斗がいた
「何、他の男といちゃついてんだよ」
低い声を出して威嚇する様に辻山さんを睨む
「ちょっと、陸斗!酒井さんの彼氏に失礼だよ。ただの挨拶じゃん」
私がそう言うと、「チッ」と舌打ちして、辻山さんから視線外してくれた
謝ろうと酒井さんを見ると顔がリンゴの様に真っ赤になって固まっていた
「酒井さん?あれ?おーい、酒井さんってば」
ハッと我に返った酒井さんは鼻を押さえながらバッと私を見た
「ちょっと、彩!!あんたの彼氏ッちょーーーーイケメンじゃない!鼻血もんだわ!ヤバすぎる!!」
もしかして…マジで鼻血出したんじゃないよね?
ってか、彼氏の前で それ言っちゃって大丈夫なのか?
不安になった私は辻山さんをコッソリ見ると、酒井さんの興奮を落ち着かせようと優しく宥めていた
余計な心配だったと胸を撫で下ろし、酒井さんとまた会う約束をして別れた



