荷物を手に持つと、酒井さんと二人振り返り工場長と今まで一緒に働いた従業員さん達に挨拶をした 駅まで歩いて向かう途中、酒井さんがタクシーを拾った 「はぁ、重かった…。彩は荷物、もしかして…それだけ?」 チラリと私の荷物を見て、びっくりしている 「はい。これだけです。元々が少なかったんで」 電車に乗り、移りゆく景色を見ながら陸斗に連絡を入れた 「酒井さんの彼氏も駅まで迎えに来るんですよね?」 「うん、もぅ着いてるって。気が早いっての」 そう言いながら、嬉しそうに笑った