次の日、私と酒井さんは工場長の元へ来ていた
「そうか、若い子が二人も辞めちゃうなら寂しくなるな」
「な〜に言ってんの、工場長!4月になれば新しい社員が入って来るじゃない!私より若々しくって可愛いわよ」
酒井さんは、あははっと笑って挨拶を済ませた
「工場長、お世話になりました。私、ここで働かせて貰って本当に良かったと思ってます。今まで、ありがとうございました」
頭を下げ、泣きそうな顔を隠した
私と酒井さんは有給休暇が残ってるから、3月半ばまでの勤務となった
そして、寮を出る前日の夜、最後の寮生活だからと酒井さんと私は部屋でお別れ会をしていた
「じゃ、明日は一緒に行こうね。彩の彼氏、駅に迎えに来るんでしょ?」
「はい。駅に着く前に連絡を入れるつもりです」
隣でグビグビとビールを喉に流し込んでる酒井さんは既にハイテンションだった
「そしたら、彩の彼氏 拝見出来るってわけだ!『支配者』の総長って噂では、かなりのイケメンって聞くけど……キャ〜ッ超楽しみなんだけど!!」
若干、引き気味になった私は酒井さんのテンションに付いていけなかった



