結局、私は頷くしかなかった



それでも私は、戻る代わりに陸斗に条件をつけた



一つ目は、戻るなら4月から

二つ目は、卒業したら陸斗にお金を返す


陸斗は渋々納得してくれたけど…やっぱりお金は自分の為に、きちんとしときたかった



「…と言うわけなんです。それと…堀川って名字も母の旧姓で。本当は如月なんです。嘘ついててごめんなさい」


夜、夕食を一緒に食べてた酒井さんに私の過去の事は伏せて、事情を話した



「そんな事があったんだ〜。じゃぁ、去年…暴走族が探してた子って、やっぱり…」


チラッと私を見た酒井さんに申し訳なくって、小さな声で「私です」と答えた



「あ〜、いいなぁ…若いって!青春!!」


「なっ、何言ってるんですか!酒井さんも若いじゃないですか」



何か急に恥ずかしくなって、黙々とご飯を食べた


すると、酒井さんがバンっと机に箸を置いた



「しまった!大変!!私まだ仕事辞める事、工場長に話してないんだった!あっ!!どうせなら彩も一緒に言いに行かない?」



「そうですね。私も4月から向こうの学校に通うようになったから、3月いっぱいで辞めなきゃ」