「それと、もう一つ。コレは彩夢自身の事だから、ちゃんと聞けよ」
「う、うん」
急に真剣な顔をするから、変に緊張する
「帰って来い。いつでも戻って来れるように、桜蘭学園にも手配をしてる」
「ち、ちょっと待って…ッそんな急に…私、学費払っていくだけのお金はないんだよ?今だって働きながら定時制に行って…」
ポンと頭に手を乗せられ私を覗き込む
「金の事なら心配すんな。彩夢はどうしたい?本当の気持ち、聞かせろよ」
「……そりゃぁ……戻れるなら戻りたいけど……」
私の言葉を聞いて満足したかのように微笑む陸斗は思いもよらぬ言葉を私に発した
「じゃ、決まりな。その代わり高校卒業したら、俺と結婚な。それなら問題ねぇだろ?」
ポカンと開いた口が塞がらない
何で、そうなったの?
私の頭の中を読み取るように説明してくれる
「俺は、もう二度とお前を失いたくない。だから目が届く所に置いときたい。不安なんだよ、それだけ俺を本気で惚れさせたんだ、責任取れよ。彩夢」
嬉しい……けれど、そんなメチャクチャな理由で学費とか払ってもらうわけにはいかないから断ろうとした矢先…
「お前に拒否権とかねぇんだよ」
優しい顔が一変、鋭い双眼を向けられたかと思うと、物凄い圧がかかってきた



