暫くして、身体が冷えきってしまったので寮へ戻る


浜辺の脇にある石の階段を登り道路へ出た


道を渡ろうかした時、1台のバイクが目の前で停まった


バイクのライトが眩しくて目を細めた時、バイクに跨がっていた人が下りて来た


「彩夢…」


ーーードクン


その声に懐かしく感じながら、その姿を見つめた

「……輝、真……な、んで…」

 
片手で私を抱き寄せる


「やっと、見つけた……陸が会いたがってる…戻って来いよ」



掠れた声で言われ、言われた言葉にジワリと涙が滲んだけれど私は首を横に振る

「…戻らない……ううん、戻れない」


「理由…聞いていいか?……あの時、何があった?」


「……別に…何も。ただ……もぅ陸斗の側にいるわけにはいかないから………」



はぁ…と小さくため息をついた輝真


「そんな事言うな。お前がいなくなって…あいつ、ずっとピリピリしてるんだ。」


「………」


「……陸には、お前が必要なんだ」



俯き黙ったままの私を覗き込む輝真の顔は、悲しみに耐えてる様に見えた



別れ際に渡されたメモ紙…


そこには、輝真と陸斗の連絡先が書いてあった