それからは外出を控え、ほとんど仕事と学校の行き来のみしか外に出る事はなかった


12月下旬から年明けて6日まで、仕事と学校が休みに入り 毎日が暇でしょうがない



コンコンと部屋のドアをノックする音が聞こえた


「はい」


「やっほー、彩。今日クリスマス・イブじゃん。だから一緒にケーキどぅ?骨付き肉もお酒もあるよん」


次々に机に広げられる食べ物


「どうしたんですか?今日、酒井さん彼氏とデートって言ってたじゃないですか」


不思議に思った事を聞くと、酒井さんは大きな目からポロポロと涙を流した


「……別れたの、浮気してる所を目撃して問いただしたら……私の方が浮気だったって……ッ」




グスグスと泣いている酒井さんの背中を優しく擦る




「辛かったですね……。分かりました、今日は飲みましょ!付き合いますよ!!」


慰める言葉は、きっと同情にしか聞こえないだろうから私は何も言わない



愚痴を沢山聞いてあげて、酒井さんの気持ちが少しでも軽くなる事を祈った