ガチャっと開いた扉の向こうにいたのは、菜摘だった

菜摘は私を睨みつけ、吐き捨てるように話し始めた


「彩夢って、陸斗と輝真先輩と一緒に住んでたんだ。知らなかったよ。通りで特別扱いされてたんだね。でも、それも終わりだよ。私ね昨日、正式に陸斗の彼女にしてもらったから」



不敵な笑みを浮かべる菜摘が私を見下ろす



「私ね、どんな事情があろうと他の女が陸斗の側にいるの嫌なんだよね。昨日、陸斗にそう言ったら私の為に追い出すって言ってくれたの。だから私と陸斗の為にも早く出て行って。目障りなのよね」



「……そ…ぅ」


目頭が熱くなって言葉が喉に詰まって出てこない



靴を脱ぎ菜摘の横を通り過ぎようとした時


「陸斗、彩夢の顔 見たくないから私から言えって昨日ベッドの中で言われたの。悪く思わないでね。あ!それと陸斗ったら凄かったんだ〜。私と陸斗、体の相性いいみたい。」


私は足早に部屋に入る


はぁ…はぁ…


堪えていた涙が一気に溢れてきた
声を殺しながら泣いたあと部屋を見渡した